新しいタブで開きます

歌配信

OBSで歌声にリバーブをかける方法

WindowsのOBSでVST2プラグインを使い、歌声へリバーブを加える手順。無料のValhalla Supermassiveを例に、導入、原音との混ぜ方、トークへの切り替え、録画確認を説明します。

執筆:公開日:

OBSで歌声に余韻を加えるには、マイクのフィルターにリバーブ用のプラグインを読み込みます。この記事では、Windows版OBSの「VST 2.x プラグイン」フィルターと、無料のValhalla Supermassiveを使う方法を紹介します。

リバーブは、声と伴奏の音量を整えたあと、欲しい響きに合わせて加えるものです。使わずに歌枠を配信しても構いません。インターフェースや音楽制作ソフトですでにかけているなら、OBS側と重ねる前に、どちらで処理するかを決めてください。

使う形式はVST2。VST3とは読み込み方が違う

VSTは、ソフトへ音声処理を追加するプラグインの形式です。OBS標準のフィルターで扱うのはVST2.xで、VST3をそのまま読み込むことはできません。OBS公式のVST対応形式を確認してください。

今回の例で使うValhalla Supermassiveの公式配布ページは、Windows用の64bit VST2.4を案内しています。音楽制作ソフトでVST3版を使っていても、OBS標準の方法ではVST2版を選びます。

NoiLessのようなVST3プラグインをOBSで使う場合は、別途ホストを追加する構成になります。リバーブのために必ずその構成へ変更する必要はありません。

VST2とVST3では、OBSへの入り方が違う
VST2版

OBS標準の「VST 2.x プラグイン」へ。この記事のリバーブはこの構成です。

VST3版

VST3を読み込む追加のホストが必要。OBS標準のVST2用フィルターへ直接は入りません。

1. プラグインを入れて、マイクへ追加する

配信と録画を止め、いまのフィルター設定を控えてから準備します。

  1. Valhalla公式のダウンロードページの無料プラグインから「Valhalla Supermassive」のWindows版を入手します。
  2. OBSを終了し、インストーラーで64bitのVST2を含めてインストールします。
  3. VST2の保存先を確認します。OBSが検索する場所の例は C:\Program Files\VSTPlugins です。別の場所へ入れる場合は、OBSの対応する検索先かを確認してください。
  4. OBSを起動し、音声ミキサーのマイクから「フィルタ」を開きます。
  5. 「+」から「VST 2.x プラグイン」を追加し、一覧でValhalla Supermassiveを選びます。
  6. 「プラグインインターフェイスを開く」で本体画面を開きます。

リバーブを追加する対象はマイクです。マイクと伴奏が一つに混ざった音源へ追加すると、伴奏にも効果がかかります。分けて使いたい場合は、先にマイクと伴奏の取り込みを見直してください。

一覧に出ないときは、VST3だけを入れていないか、64bit版か、VST2の保存先がOBSの検索対象かを確認し、OBSを起動し直します。正式な保存先の一覧はOBS公式の検索ディレクトリにあります。

2. 原音を残しながら、響きを足す

「Dry」は効果を加える前の音、「Wet」はリバーブなどの効果音です。マイクのフィルターへ直接追加する今回の方法では、原音と効果音をプラグイン内で混ぜます。

Supermassiveは、MIXが0%なら原音、100%なら効果音だけになります。初めは0%で声を聞き、そこから少しずつ上げてください。ほかのソフトの設定例にある「100% Wet」をそのまま使うと、今回の構成では原音が混ざらなくなります。

MIXは「原音と効果音の割合」を変える
Dry効果を加える前の声
Wetリバーブの効果音
プラグインのMIXで混ぜる0%なら原音だけ、100%なら効果音だけ

マイクへ直接追加するこの記事の構成では、原音を残しながら少しずつ響きを足します。

  1. PRESETで響きの候補を選びます。大きく音が変わる可能性があるため、最初は小さめのモニター音量で試します。
  2. MIXを0%から徐々に上げ、短い歌詞を歌います。
  3. 声を止めたあとの余韻を聞きます。次の言葉へ重なりすぎるなら、響きを短くします。
  4. 伴奏と一緒に録画し、言葉の輪郭が残るかを確かめます。

響きを足した声と原音だけの声を聞き比べ、曲に合うほうを選んでください。曲の速さ、伴奏の密度、声の出し方によって、心地よい量は変わります。

プラグインは開くのにリバーブがかからないとき

まず短く録画して聞いてください。機材から直接返している声には、OBSで加えたリバーブが含まれない場合があります。録画でも変わらなければ、実際に声が入っているマイクへ追加したか、フィルターが有効か、MIXが0%のままではないかを順に調べます。

3. 「混ぜる量」と「余韻の長さ」を分ける

響きが多すぎると感じたとき、MIXを下げるだけでは、後ろに長く残る余韻が気になることがあります。Supermassiveでは、まず次の違いを押さえると調整しやすくなります。

MIX
原音と効果音を混ぜる割合です。声を残しながら響きを足す量を決めます。
FEEDBACK
増やすと余韻が長くなる方向へ変わります。音を止めたあとに残りすぎる場合の確認先です。
MODE
響き方そのものを変えます。短めの減衰を持つGeminiなどから、声と合う候補を探せます。

一度に全部動かさず、MIXで量を決め、次にFEEDBACKやMODEを試します。DELAYの値はリバーブ内部の遅延線の長さで、歌声と伴奏の同期オフセットとは別の設定です。詳しい意味は開発元の操作説明を参照してください。

声を止めたあとの、余韻の長さを比べる
早く減衰する例

次の言葉までに、余韻がどれくらい弱まるかを聞きます。

長く残る例

後の言葉へ重なりすぎるなら、FEEDBACKやMODEを確認します。

左から時間が進み、棒が短いほど音が弱い模式図です。MIXで混ぜる量を下げることと、減衰を短くすることは分けて考えます。

4. 歌うときと、話すときの切り替えを確認する

歌い終わったあとも余韻が多いと、トークが聞き取りにくくなることがあります。話し始めるところまで録画して、トークではリバーブを無効にするか、量を下げるかを決めてください。最初はフィルター一覧から手動で切り替えて試せます。

同じマイクソースを複数のシーンで共有している場合は、一方で変えたフィルターが他のシーンにも影響します。シーン名だけで歌用とトーク用の設定が独立していると思わず、実際に切り替えて録画してください。

シーンが二つでも、共有したマイクは同じ
歌のシーン

同じマイクソースを使う

トークのシーン

同じマイクソースを使う

一つのマイクとフィルター

一方で変えた設定が、もう一方にも影響します。

ノイズゲートなどで音を急に切る設定が入っていると、声の終わり方も変わります。余韻が不自然に切れる場合は、リバーブだけを疑わず、他のフィルターも一つずつ確認します。

最後に、音量とタイミングを録画で聞く

リバーブを足したあとは、声が前より大きくなったり、伴奏へ埋もれて聞こえたりしないかを確かめます。調整は歌声と伴奏の音量バランスを参考にしてください。

処理や経路を変えたあとは、歌声と伴奏のタイミングも聞いてください。毎回同じ幅でズレる場合は、歌枠の音ズレの調整方法が参考になります。二つの音の時間差は同期オフセットで調整するため、リバーブの長さや響きの量を変えて合わせる必要はありません。

プラグインの読み込みと処理の確認は、本番前の録画で行います。動作が不安定になった場合は追加したフィルターを無効にし、元の構成で戻るかを確認してください。

参考資料